【コミッション】パワードスーツの設定画

2023/10/16
■基礎情報
製作時期:2023/1月
製作時間:約2週間
ツール :ClipStudio
担当範囲:メカデザイン
     イラスト作画

■製作経緯:コミッション
 コミッションサイトを介して、とあるweb小説作品に登場するパワードスーツのメカデザインの製作を請け負いました。原作小説はヒロインが数十人規模で登場する大規模なハーレム作品で、彼女たちの共通装備として今回のパワードスーツをデザインしました。
 なお、クライアントは他の多数のイラストレーターにヒロインたちの絵を発注されており、その中でこのパワードスーツの設定画も設定資料として何度もお使い頂けているようです。

■デザインのコンセプト:ロジックの提案とビジュアル化
 この件のデザイン作業は、まず「SF的な戦闘スーツ」「コズミックホラー」「エイリアンや悪魔のような見た目」「生物がモチーフ」といったご要望を取り入れる形でスタートしました。
 原作小説は100万文字を越える超長編作品ですから、このパワードスーツは作中で長らく活躍しているようであり、既に文章内に存在する多くの設定や描写に準拠する方針でデザイン作業を進めました。その最たるものは、「パワードスーツは新たな技術を取り入れて改良され続けており、ルーツが異なる何種類もの技術体系が混在している」という複雑な設定です。
 これは物語の進展を表現する重要な要素であるため、なんらかのロジックを提案しながら具体的な形として落とし込む必要がありました。

 そこで取った方法論は、「パワードスーツの胴体/腕部/脚部で、それぞれ全く異なる生物種をモチーフにする」というものです。
 スーツ全体が生物モチーフという方針は既にありましたから、たとえば部位ごとに…
 ・胴体:植物の幹や葉がモチーフ、年輪のような紋様を採用。スーツの基幹部であるために更新が少ない。防御性を重視。
 ・腕部:哺乳類がモチーフ、内骨格的で滑らかな形を多用。最も頻繁に技術更新されており、流体パイプの露出が少ない。
 ・脚部:爬虫類や虫がモチーフ、外骨格的で尖った形を多用。軽量かつ強靭な外骨格を採用。装甲表面に流体が循環している。
 といったロジックを当てはめ、それぞれ合理的な形で設定を取り込みつつ、さらにパッと見た時に敢えて技術のチグハグ感が出るように意図してデザインを起こしています。