オリジナル小説のキービジュアル

2023/10/16
■基礎情報
製作時期:2022/7月
製作時間:約3週間
ツール :ClipStudio
担当範囲:メカデザイン
     キャラデザイン
     イラスト作画

■製作経緯:趣味
 数年前に執筆・完結させたweb小説「槐神霊装伝エンジュ」のキービジュアルを製作しました。こうして過去に執筆していた自作を題材にして、キービジュアルや挿絵を起こす事もあります。
 本作は"呪術×東京×ロボット"がテーマだったので、それらの要素がパッと見て伝わるように映画ポスター的な構成を意識しながら画面を作ってみました。

■コンセプト:小説を書いていたからこそ知る武器
 こういったキービジュアルを作成する際にまず意識するのは、初見の方にとっての分かりやすさです。
 原作が小説の場合、その性質上、読者の方にはある程度コスト(時間)を割いて本文を読んでもらわなければ魅力を伝えられません。そこが文字媒体で初見の方を集めるのが難しい理由の一つであり、よくも悪くも数秒で消費されるイラストと大きく異なる部分です。
 自分はかつて小説界隈で活動していたがゆえに、初見の方へ低コストで情報を伝えられるというイラスト媒体の性質がいかに強力であるかを知っています。ですので、原作の柱となる要素を、いかに分かりやすく、そして印象強く伝えられるかに気を遣っています。
 それこそが絵―特にこうしたキービジュアル―の最大の武器だと感じているからです。

■画面デザイン:原作小説の要素をビジュアルに落とし込む
 たとえば"呪術×東京×ロボット"をコンセプトにした本作の場合であれば、
 ・呪術:主人公に印を切らせたり彼岸花を配置することで怪しげな雰囲気を表現。
 ・東京:背景をビル群にすることで舞台を表現。呪術がテーマながらも現代の雰囲気を表現。
 ・ロボット:主人公の背後に大きく配置することで、これが巨大な人型のガジェットであることを表現。
 …といったように、原作で重要になる要素を拾い上げ、これからキャラを待ち受ける重たいストーリーを予感させるような画面の中に
 配置しています。理想的には、たとえ初見の方であっても「なるほど、こういうストーリーなのか」とパッと見で物語を理解してもらい、その上で作品を手に取ってもらえるような、単なる抽象的なイメージには留まらない魅力的なキービジュアル作りを目指しています。